ミルクスタンド

どこにも住みたくない

最近読んだ本の好きなところ

 

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◎「私の中の男の子」山崎ナオコーラ

・そうか、体重を気にするというのは自分のことしか考えていないということなんだ、と雪村は気がついた。時田のように、人との関わりに重点を置いて考え事をしてこなかった。(中略)「でもね、必要以上に『自分がどう見えるか』を気にしている人の仕草がチャーミングに見えることもあるよ。だって、世の中のみんながみんな、他人に思いやりを持てて、非の打ち所のない、コミニケーション能力の高い人ばかりだったとしたら、つまらない集団になると思わない?」と時田は言った。

 

・ 二人で食事をすると、食べ過ぎることがない。ひとりだと、どうしても食事の終了のタイミングを逃して、ダラダラと食べ続けてしまうのだが、誰かと一緒だと、終わりの感覚が生まれるし、食後に寂しさがない。

 

◎「本屋さんのダイアナ」 柚木麻子

ドラマチックな友情。どこまでもドラマチックだけど、ダイアナの実の親の対面シーンが完璧じゃなくて安心。女の子にかけられた「呪いを解く」が最近のキーワードだな。

柚木さんは真っ向から描いてるのに対し、山崎さんはその枠組みから越えた別次元からそれを描いてる気がする。枠組みを否定するのではなく、そばに置きながらも、自分を生きようとしている。どっちも勇気もらえる作品。

 

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◎「 #カリグラシ 賃貸と団地、貸し借りのニュー哲学」  ours.

 

長嶋有

「建物って案外忘れられたようにずっとそこにあるんですよ。別に愛されてるからじゃなく、重要無形文化財に指定されてもいないけど、でもあるなぁと思って。チキンラーメンみたいに"愛されて50年"というものばかりをみんな見たがるんだけど、ただそこにあるってだけの建物がたくさんある」

・(団地の面白さについて聞かれ)「 4階に住んでる人は、階段を上る途中にその下の階の様子を全部見て、知ってる。2階の人、出前とったなとか。けど、2階に住んでると、3階の人のクリスマスの飾り付けは知らないんだよ、ずっと知らないまま。わざわざ上の階の様子を見に行ったりしないと思うんだよね。なんかそういうところが面白い」

 

tofubeats

「僕がニュータウン学園都市駅から大学まで1時間半かけて通っていた時に気づいたことがあって、それは『通い好き』ということ。移動する時間ってかなり大切だと思うんです。通学していた頃のことを思ったら、これは人格形成に多いに影響がありますよ」

 

藤野可織

「これは自分がいつも部屋を汚くしてるからと思うんですけど、古くて、味があって、でもやや清潔感に欠ける飲食店とかよくあるじゃないですか。私、ああいうのがちょっと苦手で。せめて外ではきれいな空間ですごしたい。(中略)特にトイレが汚いと悲しいですね。で、京都に来ると、みんなそういうところに行きたがるんですよ。もちろん、普通に行って楽しく過ごしてますし、行くのは嫌じゃないですよ。まぁちょっといやですけど(笑)それだったら正直に言えば、きれいな白木屋の方がいい。床でそのまま寝ちゃえるくらいトイレのきれいな白木屋が」

 

藤野さんの正直なところ、すごく好感持った。このインタビュー本の何がいいって、地方をちゃんと見てくれてるとこだな。東京の人に置いてきぼりにされず楽しめる。

 

◎「春と盆暗」熊倉献

魅力的な女子たちが男子を救っていく。柴田聡子さんの曲をかけながら読みたい。Kindleで買ったのに本屋でも買ってしまった。